森のお掃除屋さん 実務編


年末の大掃除とやらは終わりましたか?
いやいややっていると、進みませんね


さて、昨年は “ 森のお掃除屋さん ” のプロフィールのみを
紹介しましたが、今回は、その実務を取材して見ました。

キャストは以下の通りです

  モグラ(死骸) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1匹
  ヨツボシモンシデムシ ・・・・・・・・・ 2頭
  キンバエ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 多数
  オオセンチコガネ(友情出演) ・・・ 1頭
  アカバハネカクシ(特別出演) ・・・ 1頭


以下、ご覧いただくに当たる注意書きになります。

モグラの死骸や、キンバエが出てきます。

特に食事前の閲覧は、お勧めできません。

それでも見たい方は

下記をクリックしてください。


森のお掃除屋さん ヨツボシモンシデムシ の 実務












フルキャストです。

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この後、オオセンチコガネはすぐにいなくなりました。

お口に合わなかったのでしょうか?
それともヨツボシモンシデムシ(以下シデムシ)に
“ 帰れ ” とでも言われたのでしょうか?

そんな僅かな友情出演だったオオセンチコガネについてですが・・・

和名のセンチの由来は、今は無き汲み取り式のトイレ、雪隠(せっちん)から
であり、糞を探しては、綺麗にしてくれる ありがたい掃除屋さんの一員です。



さて、主役(シデムシ)の実務ぶりの前に

少々ホラーになりますが、和名のシデムシ漢字で書くと、死体があると出てくることから「死出虫」です。
別称、幼虫の食物として死体を埋葬することから「埋葬虫」と書いてシデムシと読ませることもあるようです。

暫く観察していると・・・驚いたことに時々モグラが動きます!!
一瞬、まだ生きていたのかと思いましたが・・・

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どうやら、モグラの下に潜り込んだシデムシの仕業のようです。

モグラの下では仰向けになって作業をしているようです。

それを裏付けるのが・・・

もぐり込み時の体勢です。

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そして出てくる時の体勢です。

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思うに・・・

横たわった象の下に人間が入り込んでいるような体積比、人間だったら窒息死
そんなことを思うと、シデムシの強靭さは計り知れないですね。
象と比較しましたが、体重比にするとモグラは意外と軽いのかも知れませんが


シデムシは二頭確認出来ました。
(この2頭の他にモグラの下にも居るかも知れませんが)

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その行動ですが

モグラの下に潜り込み、暫くすると出てくる。
そんな行動を繰り返していました。

ここで、不可解な行動が目につきました

出てきたと思うと、モグラの上に登ったり

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一旦モグラから離れ、周囲をうろうろします。

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一度だけ、草の茎を登り始めました。(すぐUターンしましたが)

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そしてまた、モグラまで戻り潜り込みます。

なんなのでしょうね? 筆者的に考えられるのは

① 新鮮なな空気を吸いに出てきてひと休み

② 位置並びに移動方向の確認(埋蔵する場所までの誘導の為)

③ 体に付いたダニを落とすため

そんなことを思いながら見ていました。


力仕事は仕方ないとしても、ダニらしきに寄生されるのは可哀そうに思いました。

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お掃除も色々大変です。

ダニにも負けず、3Kを苦にもせず働く姿は美しいですね

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見るからに頑丈そうな胸部背板、そして触角の格好いいこと


さて、シデムシはこのぐらいにして
「キンバエ」も次第にたくさん集まってきました。

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嗅覚なのでしょうかね? それとも仲間間でのコミュニケーション
によるものなのでしょうか?


死骸や糞を食材としている「アカバハネカクシ」は遅れて参戦

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一時間近く観察していましたが、モグラの下に入ったり出たり
時々、微移動するモグラ、そんな繰り返しでした。

他を散策し、やはり気になり一時間後に寄ってみました。
大きく状況は変わっていませんでしたが、ハエは少なくなっていました。
今思うと、どの程度モグラを動かしたのか
定点観察をしておけば良かったとも(後の祭り)

モグラの死も彼らにとっては生きる糧、無駄ではなかったようです。

5時も廻り、ファーブルだったら真っ暗になるまで観察を
続けるのだろうと思いながら、現場を後にしました。
(4/30日 観音崎) (トリミングあり)


そんな、ファーブル昆虫記(奥本大三郎訳)の中から興味深い記事を借用

6巻7章 モンシデムシ(幼虫の食物として死体を埋葬する虫)

野外には動物の死体を処理し大地の衛生を守る虫がいる。
名高いのはモンシデムシの仲間
他の虫は死体をその場で食べるがモンシデムシは土に埋めそれで幼虫を養う。
死体を丸ごと埋めるので地上はたちまちきれいになる。
 ムナゲモンシデムシを観察する。
 死体は運ばずにその場で埋葬する。
 死体なら何でもよい
 3頭の雄と一頭の雌が協力してモグラを埋める
 モグラは揺すぶられ地中へと沈んでゆく
 二、三日後に墓を暴く
 死体はベーコンの塊のようになり、♂♀が見張りをしていた
父親が子供に食物を残す虫は、モンシデムシの他には糞虫の一部だけ
5月の初め、二週間前に埋葬されたドブネズミの死体には15頭の幼虫と両親がいた
幼虫は蛹になり夏に成虫になる



6巻8章 モンシデムシの実験(埋葬の方法を観察する)

モンシデムシは地面が硬いとき、仲間の助けを呼ぶ言うが本当か
 煉瓦の上にハツカネズミを置いてみる
 三頭が三時間ぐらい死体を動かそうとするが解決しない
 6時間後、偶然煉瓦の上から外れて埋められた
五徳にヤシの網を張って障害物とし、モグラを置く
 網をかみ切って埋めた
二本のY字の枝に水平に渡した棒にモグラを縛る
 縛ってある紐を噛み切って埋めた
ハツカネズミをタイムに絡ませる
 登って落とし埋めた
地面に立てた棒にモグラを吊るす
 モグラの下を掘ったために棒が倒れ、死体は埋められた
 棒は考えて倒されたのか
 倒れないよう棒を斜めに立てて見る
 虫が原因と結果を関連付けているとは思えない
 それを確かめる二つの実験
 虫は考えているのではなく、本能に導かれているだけなのだ

上記は章の巻頭にかかれていたものですが、この2章で詳細について
74ページも費やしていました。ファーブル偉大です。


自然界の死に対して、その屍を片付ける動物、鳥、昆虫、魚類
微生物等々が存在して自然のサイクルが成り立っているのですね

学生時代に読んだ 鳥葬の国 川喜田二郎 著 が脳裏をかすめました。
チベットの奥地では、多くの生命を奪ってそれを食べる事で生きてきた人間が
死後の魂が抜け出た肉体を他の生命ハゲタカに布施として与えることで、前世
の罪を洗い流し天に還ることができるとされている。宗教的な面もありますが
人間の屍も自然界で処理させる、そんな地域と時代もあったのですね

やや脱線した感もありますが、長駄文なってしまいました。



この際、もう少しお付き合いいただけると幸いです。

ー 第 二 幕 ― 

「 ニイニイゼミ と アオオサムシ 」

草中で死んでいたセミの背後に・・・

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いたのは、緑の光沢が綺麗なアオオサムシ

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主に小昆虫の死骸などを食べます。今回のセミは大ご馳走だったことでしょう。
徘徊ははよく見掛けますが、やはり実務を見たのは初めてでした。
(8/6日 市内 [YRP] にて) (トリミングあり)



― 第 三 幕 ― 

「 ホソヒラタアブ と アリ 」

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身近なお掃除屋さんと言うと、なんといってもアリです
今まで巣穴に運ぶ仕事ぶりを色々見てきましたが、とても几帳面ですね
(9/24日 市内 [花の国] にて) (トリミングあり)

海辺では打ち上げられた死んだ魚をよく見掛けます。そんな魚にトビやカラス
またカモメなどが群がって突ついている姿をよく見ます。こちらもお掃除屋さん
のつもりなのでしょうが、どうも食べ散らかしが多く、掃除屋としては半人前ですね。

今回紹介したのはほんの一部でしょうが、自然界を生きるために身に着けた
お掃除テクニックも様々のようですね。、





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by pastel24c | 2017-12-27 23:59 | 虫たち | Comments(0)
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